そういえば

 某さんのブログエントリで思い出し、確認してみると、ここでは書いていなかったようなので、遅ればせながら、セミナーの話。
 今月初頭に行われた月曜の学部(School of Politics and International Relations)(←なお、この前まで、Politicsじゃなくて、Political Scienceだと思って間違えてました。)の定例セミナーで、初めて発言・質問した、という話です。
 報告者の先生は、半年か一年か、中国の大学に行っていたということで、オーストラリアと中国の比較行政論みたいなものでした。でも、よかれあしかれ(というか、研究という点だけで言うと後者なのかな)、狭義の比較行政にとどまらず、結構大きなパースペクティブというか、市場経済と「社会主義市場経済」との違いみたいな話も出てきたので、体制論的な質問をしたわけです。
 あなたは両者の違いを指摘されたけれど、それは質的な違いと考えているのか。かつて、チャーマーズ・ジョンソンは、日本を欧米とは異なる国家・体制類型として把握したが、資本主義社会における国家である点では違いはなかった。ところで、「社会主義市場経済」における中国はどうなのか。それは、依然として欧米とは質的に異なる体制を意味しているのか。それとも、単なる「レトリック」なのか。
 と、まあ、それだけの話と言えばそれだけの話ですし、質問内容も、上記のとおり、日本でだったらわざわざしないだろうというものです。
 ただ、何しろこのセミナーでの初めての発言ということで、個人的には、メモリアル・デイでありました。いや、少々というか大げさすぎるかもしれませんが、ある程度、人がいるところで、事前準備のコメントでもない形で、発言するのは、相当に敷居の高いことでありました。学生などに、「発言しなくちゃダメだ」とか、自分ができないくせによく言ってたよね、という話です。いや、誠に申し訳ない。
 とはいえ、5月から始まった熟議民主主義のセミナーでも、発言ができるようになってきて(が、その場での議論のやり取りを全部キャッチできているわけではない)、滞在9〜10か月くらいで、ようやくささやかな壁を越えつつあるのかなという認識を持つようにはなっています。某さんは、滞在2か月半くらいですから、それに比べると、お前は何だ…という話ですが。
 最近、思い出すのは、以前に(日本にいたときに)会ったある院生さん(他大学の方)の話です。その方は、かつて留学していた時、1年目は授業などで全く発言できなかったけれども、2年目からは開き直って(と、おっしゃっていたと思います)発言できるようになった、とおっしゃっていました(若干、不正確かもしれませんが)。今の僕も、まさに、そういう気持ちになっています。