Bohman


James Bohman (2004)"Discourse Theory," in Gerald F. Gaus and Chandran Kukathas eds., Handbook of Political Theory, Sage Publications.

Handbook of Political Theory

Handbook of Political Theory

いくつかメモ。

言説の役割は、「市場」と「フォーラム」との違い、社会的選択メカニズムにおける所与の選好の集計と公共的言説・討論における選好形成と変容との間の違いを強調する。言説へのシフトは、民主主義理論において最も重要である。この区別は、政治理論における・・・言説的・コミュニケーション的実践を強調する「熟議的転回」を可能にする。(156)

■言説理論の三つのアプローチ156-157
①「構成的(constructive)」で規範的なアプローチ
 ・言説・討議は、ルールに統制された活動
 ・そのルールは、手続的理想化として再構成される
 ・政治理論家は、言説・討議を統治するための明示的なルールを発展させる
 ・その場合のルールとは、既存の言説実践を批判する役割か、あるいは制度の評価・設計において構成的役割を果たす 
②経験的でしばしば懐疑的なアプローチ
 ・実際の議論や実践を形成するより深くより構造的な想定や前提を把握しようとする
 ・明示的なルールそのものを扱うのではなく、規範を通じて作動する深い実践への制約を明るみに出す
③「再構成的(reconstructive)」で批判的なアプローチ
 ・理想化と反事実的理想に固有に依拠しないが規範的であり、正当化の言説的実践を制度化するあらゆる試みに懐疑的にならないが経験的であるような理論