セミナーなど

 昨日は、客員で滞在中のAnne Phillips教授のセミナー。内容は、これまで彼女が批判的だったコスモポリタニズムについて、(少なくとも部分的に)擁護する、というものでした。コスモポリタニズムへの3つの批判への応答を試みるところがもっとも興味深かったのですが、肝心のところがきちんと聞きとれていませんorz
 その後、成り行きから、AnneおよびJohnと、日本人院生のIさん、Kさんとでお茶。 Phillips氏は、もともとは西アフリカの研究から始めたんだそうです。その後、フェミニズム政治理論に関心をもつにあたっては、キャロル・ペイトマンとアイリス・ヤングの影響が大きかった、とも言っていました。話の様子では、feminist theoryではなく、feminist 'political' theoryであることにこだわっているようで、その点について、僕も大変意を強くしたのでした。自分の本も、フェミニズムが「政治」をどう考えるべきか、にこだわったのだと言ってみて、儀礼的かもしれませんが、同意してくれたと思います。  
 なお、その場でDryzek氏も、もともとは環境政策のpolicy drivenな研究だと言っていて(というのは、ある程度知っていたわけですが)、そういう二人が、The Oxford Handbook of Political Theoryの編者の二人(もう一人は、ボニー・ホーニッグ)であるというのも面白いというか、"political theory"なるジャンルをどう考えるかという時に示唆的なエピソードであるように思われました。


 ところで、その場で、少々勇気を出して、"Dryzek"の発音は、「ドライゼック」と「ドライゼク」のどちらに近いのか、みたいなことを聞いてみたのです。まあ、なかなかこれが趣旨をうまく伝えるのが難しかったのですが、幸い、英語が達者なKさん、Iさんのサポートを得ることができましたので。
 で、結論から言うと、「ドライゼク」のほうが近いだろう、ということです。「ゼック」だと「ゼ」を強調している感じになりますが、あまり強調しないので、という感じですね(多分)。
 もっとも、彼の家はもともとポーランド出身で、元の読みは「ドゥリゼク」みたいな感じだそうです。
 あと、Phillips氏も、しばしば「フィリップ」と書かれていることがありますが、ご本人は「フィリップス」と言っていたと思います。
 いやはや、何聞いてんだかという感じではありますが。

 さて、そのあとは、(セミナー出席のため)子どものお迎えをお願いしてしまっていた、小学校でご一緒している某さんのお宅にお邪魔して、晩御飯を頂いてきました。そのお宅の上のお子さん(日本で言うと4月から小1)は、学校で見ていた時は、とてもおとなしい子かなと思っていたのですが、なんだか「お兄ちゃんたち」(=うちの子ども)が来て、とても喜んでいたそうで、大はしゃぎな感じでした。まあ、喜んでもらえるのはありがたいですね。