家の探し方

昨日、次に住むべき家の賃貸について、不動産屋で契約してきました。ここでは家を見つけるのは大変といろいろな人から聞いていたぶん、家探しはとても憂鬱だったのですが、思いがけずスムーズに見つけることが出来て、ほっとしています。10月初頭に引っ越し予定。


というわけで、体験的=初心者向きオーストラリアでの家探しの順番を書いておきます。なお、以下の記述はあくまで経験に基づいてのことですので、あいまいなところや不正確なところもあると思います。だから、「必ずこうなのだ」とは思いこまないようにしてください。他のサイトや経験者の話を聞くこともお薦めします。もちろん、不動産会社のサイトは実際に見てみてください。


1)インターネット上で物件を探す。
不動産情報提供のウェブサイトがいくつかあります。直接不動産屋に行ってもよいようですが、慣れない人、英語が不得意な人は、多分ウェブで探したほうがよいです。
多分一番メジャーなのが、Allhomesです。自分の住んでいる地域の情報を探しましょう(僕なら、まず、ACT/Canberra。そのあと、エリアやサバーブ(町)ごとに探したりとかもできます)。BuyとかRentとかShareとかに分かれていますが、自分だけの家を借りる場合は、Rentです。
http://www.allhomes.com.au/
他にも、こちらはDomainというサイト。
http://www.domain.com.au/
これは、realestateというサイト。
http://www.realestate.com.au/rent


2)どんなタイプの家を探すか、ある程度イメージを固める。
ウェブサイトで物件を探しつつ、どんなタイプの家がよいのかを考えましょう。
いくつか考えるべきポイントがあります。
■広さ
ご存知のように、こちらではシェアハウジングが盛んです。よって、一人住まい向けの物件というのは、あまりありません。いわゆる「ワンルームマンション」は「スタジオstudio」というようですが、数は少ないです。
だから、僕は基本的に、1 bedroomの家を探しました。これは、キッチン+リビング+寝室というタイプで、恐らく、二人(+小さな子ども一人)住まいを想定しているのだと思います。
■物件のタイプ
これは、マンションか、ユニットハウス(2階建て程度の家が数軒くっついたような形になっているもの。よくあります)か、それとも一戸建てか、みたいな話です。
マンションは、恐らくたいていのものが建物の入口がカードキーなどでロックされています(これは今の日本でもわりとそうですか)。建物内の廊下は、オフィスビルとかホテルと同じようなつくり、つまり、外に面した所にあるのではなくて、建物内に廊下があるタイプが多いように思います。それがいいことなのかどうかは、趣味の問題かもしれません。ユニットハウスの一階だと、物件によっては、比較的道路からの距離が近いので、一階暮らしに慣れていないと、物騒に感じる人もいるかもしれません。
ちなみに、僕自身は、今もユニットハウス形式のところに住んでいますが、次も、同じタイプです。マンションタイプも二件見たのですが、場所の問題と、あとはマンションは(廊下などが)ちょっと圧迫感があるかなとか、宅配の荷物とか来た時に受け取りが面倒かも、とか感じたのでした。ただ、今の家よりも、今度の家の方が、家の前の道路からの距離が近いので、その点はちょっと心配ではあります。二階ならばよかったんですけどね。
■家具つきか否か
こちらでは、家具つき(furnished)の物件もあります。その場合、基本的なインテリア(食事テーブル、ソファ、テレビ、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、レンジ、オーブン、(場合によって)食器洗浄機、冷暖房器具(新しいところはエアコン、古いところはヒーターのみで冷房がない場合も多い)などなど)はそろっています。食器類やタオル類もそろっていることがあります。
長く住まない人にとってはとても便利です。ただ、当然ですが、家具つきの方が家賃は高いです。そうですね、モノによりますが、100ドル/週くらいは違うかもしれません。
僕は、物件の半分くらいが家具つきなのかと思っていたのですが、キャンベラの1ベッドルーム物件をウェブサイトで探している限りでは、家具つき物件の数は、もっと少ない印象です。多いエリアでも、2〜3割あればいい方でしょうか。しかも、家具つき物件は、中心部(インナー・ノース/サウス)に集中している傾向があり、少し郊外に行くと、家具つきではない物件がほとんどという印象です。
ということもあって、結局、僕は、主に中心部で探しました。


3)インスペクションをチェックし、出かける
ウェブに掲載されている物件について、どうやって申し込むのでしょうか?
各物件には、インスペクション(物件見学)というのがあり、それで実際に物件を見に行きます。
インスペクションは、それぞれの物件ごとに日時が決まっています。既に決まっている物件は、サイト上に書いてあります。その場合は、その日時に現地に出かけます。ただ、None scheduled at this timeとか書いてある場合もあります。その場合は、そのページ上に書かれているその物件を持っている不動産会社(たいてい担当者の名前が書いてあります)に「インスペクションしたい」と連絡します。連絡は、幸い、電話番号だけでなくて、メールでもできるようになっていますので、電話が苦手な方も安心しましょう。
そうすると、折り返し、インスペクションの日時を知らせてくれることもあります。が、特に知らせてくれないこともありますので、注意しましょう。返事がない場合でも、先方は申し込みがあったら、あるいは申込者が複数になったら、当該物件のウェブページに(勝手に)インスペクションの日時を表示します。
だから、連絡がなくても、「ああ、だめだったんだな」と思わずに、マメに当該物件のページをチェックしましょう。そうすると、数日後くらいに、ぽっと日時が表示されることがあります。
インスペクションの設定時間は、大体15分くらいだと思います。お昼休みとか、夕方の時間などが多いようです。
ともあれ、インスペクションの日時が確認できたら、その日に出かけます。僕の経験では、時間ぴったりくらいに行けば、まず問題ありません。


4)インスペクション当日
インスペクションの時間に現地に行くと、当該不動産屋の人がいます(または、来ます)。ぱっと説明抜きで分かってもらうためには、当該物件のウェブページをプリントアウトして持参し、それを見せるのがよいでしょう。
その人の案内で物件を見ます。しばしば、まだ入居中なので、ある意味、生活感が溢れていることもあります。
それで、その場で、賃貸申し込み用紙(アプリケーション・フォーム)をもらいます。
なお、物件を見に来るのは、自分ひとりだけとは思わないほうがよいです。どのくらいの人数が来るかは、いろいろな条件によって異なるのでしょうけれども、基本的には、複数の申し込み者の中から貸し手がセレクションする、という仕組みなんだそうです。だから、「早い者勝ち」というわけではなく、ある程度、運に左右されてしまいます。それが不安材料と言えば不安材料なのですね。

5)申込書の記入・提出
なのですが、ともあれ申込書を書いて提出しなければなりません。
申込書は、その場で記入するには、恐らく時間が足りませんので、持って帰り、必要事項を記入し、必要書類を添付して、直接不動産屋に持参、ファックス送信、スキャンしてメール添付で送信、などのやりかたで提出します。メールで送るつもりの場合は、現地でその旨伝えると、メールアドレスの書かれた名刺をくれます(が、ウェブサイト上に載っているアドレスと一緒か、違っても、多分問題ないのだとは思います。ただ、不動産会社によっては、ウェブ上のメールはフォームで送信のところもあるので、やっぱり名刺をもらいましょう)。
さて、この申込書ですが、1〜2回書くと慣れるものの、いくつか日本的には慣れない情報の記入が求められます。
たとえば・・・


■reference
これは、申込者がどんな人物か尋ねることのできる人のことです。僕は比較的メジャーと思われる不動産会社二社のアプリケーションフォームを書きましたが、どちらも3名の記入を求めていました。基本的には、名前と電話番号です。だから、3名、誰かreferenceに名前を書いてもよい、という人を見つけておく必要があります(ただ、3名いないと絶対ダメなのかどうかはよくわかりません)。「ドクター」とか「プロフェッサー」は、名前の前に称号を書けるので、信頼感が高いという説もあります。
なお、関連して、同居するのではない、親しい人(緊急連絡先)を書け、という項目がある場合もあります。僕は、この項目があったフォームでは、referenceの一人とこれを兼ねました。
■これまでの居住情報
恐らく、この借り手がこれまでもまともな借り手だったかどうかを必要に応じて確認するために書くのだと思いますが、過去5年間程度の居住歴(どこに何年住んで家賃はどのくらいとか)や、場合によっては(いや、たいていか)、これまでの賃貸物件の賃貸業者の連絡先を書く場合もあります。もちろん、これを実際に必ず「確認」するわけではないのでしょうが、若干、気が重くなる項目です。
もちろん、僕は、日本の家の情報も書きました。どのくらい見たのかどうかは定かではありませんけれど。
■身分証明書類(ID)
パスポートとか、運転免許証とかなのですが、IDの種類によってポイントがつけられていて、合計ポイントが100ポイントを超えるようにそろえないといけません。
しかし、これが結構難しい。パスポートは30〜40ポイントです、免許証もそれくらいか場合によって50ポイントくらいなのですが、オーストラリアの写真付き免許証じゃないと、このポイントに換算してくれない業者もありました。
こっちの健康保険medicareの登録証なども、それなりに高いポイントなのですが、外国人はこれが使えません。
われわれが使いやすいというか入手しやすいのは、以下のようなものだと思います。
・最近の家賃の支払い状況の領収書(20ポイント程度)
 →僕もこれを出してもらいました。今住んでいるところの家主は大学なので、大  学のアコモデーションオフィスに行って頼んだら、すぐできました。  
・所得証明(10〜20ポイント程度)
 →これは、ビザ申請でも必要だと思うのですが、僕の場合は、勤務先大学から給  料を受け取っているという証明書を提出しました。あと、銀行口座の残額証明  も出したところがあります。
・birth certification(20ポイント前後)
 →多分、戸籍謄本の英訳版を持っていれば、これに使えると思います。だから、  ビザ申請の時にコピーを持っておくのがよいかもしれません。僕は、写しを取  っておかなかったので、これは使えませんでした。
■現在の貸し手の評価
 不動産会社によっては、現在住んでいる家の貸し手業者に、いくつかの項目について応えてサインさせるという項目がある場合もあります。家をきれいに使っていたか、とかそういうことです。
 これも僕は、大学のアコモデーションオフィスに持って行って見せたら、その場で、さっと書いてくれました。我々にとっては、「ええ〜、こんなことまで!?」と思うような項目なのですが、こっちの人にとっては慣れたものなのかもしれません。


主にはそんなところでしょうか。あと、フォームは数ページにわたりますが、何箇所かサインすべきところがあるので、それを忘れないように。


5)連絡を待つ
アプリケーションフォームを提出したら、あとは待ちます。先方が(場合によって)複数の応募者の中で選考します。
どのくらいで連絡が来るのか一般的に決まっているのかわかりませんが、僕の場合は、提出二日後に、あなたの申請が認められたので、正式に契約するために会社に来てほしい、という連絡が来ました。
ダメだったときも、多分連絡があるのだと思いますが、ちょっとわかりません。ただ、最初に書いたように、住宅事情は決してよくはないので、一つ応募しても、その結果を待っている間にも、次のインスペクションや申し込みを続けていた方がよいと思います。


6)契約に行く
契約に行く時は、僕の場合は、一定金額の保証金bondを、bank chequeか、money orderで持参するように、と言われました。bank chequeは、オーストラリアの銀行で口座を持っていれば、銀行の窓口で言えば、その場ですぐ作ってくれます。money orderも銀行または郵便局で作れます。ただ、保障の程度が前者の方がしっかりしているみたいです(手数料も高いのですが)。僕は、bank chequeにしました。
不動産屋に行くと、3通程度同じ契約書に順次サインをして、上記のbondを渡して、カギを渡す日付を確認して、それで終わりです。僕の物件は、まだ前の人が住んでいて9月末から利用可能なので、その利用可能の当日に不動産屋に行って、カギを受け取ることになっています。


7)残された作業
あとは、電気、ガス、電話、ネットの住所変更の届けを恐らくは当日にやらねばならないのが、個人的なネックです。今度の家はキッチンも電気なので。ガスの契約は終りにするのだと思います。まあ、電気とガスは同じ会社なのですが。
電話とネットはきっと引っ越し先で使えるようになるのに時間がかかると思います。特に、ネットは多分2〜3週間使えないのではないかと思います。何だか不便なのですが、仕方ありません。大学にオフィスがあってよかったと思うところです。
引っ越しそのものは、荷物もそんなにない(と言っても、本や服はまあまあありますが)し、今の家からも自転車でも15分くらいなので、基本的に自分のクルマで
何度か往復して済ませるつもりです。遠くに引っ越すときは、業者に頼むか、大きなレンタカーを頼むこともあるのかもしれません。


以上、あくまでごく経験的かつビギナー向けの解説でした。