顔を覚えること

 元々サラリーマンには到底なれないとは思っている自分ですが、とりわけ「営業」はダメでしょう。
 というのも、僕は、人の顔を覚えるのがとても苦手だからです。
 つい先ほども、授業が終わって、トボトボと歩いているところで、突然「こんにちは。お久しぶりです!」と学生さんに挨拶され、そちらを見ました。でも、僕には先方が誰だか直ちにはわからず、他方、先方は明らかに僕をわかっているようだ、という困った状態に。こういう場合、わかっていないのに「ああ、あの時の!」とか言って、適当に話を合わせつつ、どこかで思い出すのを待つという「攻め」の姿勢で行くか*1、正直に、「すいません、どちら様でしたか?」といくか、悩みます。その間、0.7秒ぐらいでしょうか。今回は、話を合わせられそうな気もしなかったので、正直に、後者でいきました。
 そうしたら、僕の広報委員の仕事関係で、広報冊子などの撮影に協力してくれた学生さんであったということが判明。実は、「もしかしたら、あの人かな?」と、全く別の人に「ヤマ」を張っていたので、「攻め」に出ないでよかったです。
 「ああああ、そうか」と思わず言ったら、「忘れてましたか?」と言われ、それがアタリであることは否定できないのですが、「アタリ」というわけにもいかず、咄嗟に「でも、髪型変えたよね?」との返しを。そうしたら、「エクステ*2つけたんで」とのことで、間違ってなくて、とりあえずホッと一息。
 しかし、僕は、つくづく人の顔を覚えるのが苦手で、状況が変わるとすぐわからなくなってしまいます。たとえば、テレビのコマーシャルでも、すぐ妻に「あれ、誰だっけ?」と聞いて、あまりに有名人のことを尋ねるので、妻の怒りを買っています。
 学生さんの顔も、なかなか覚えられません。場所とか、服装とかが変わると、すぐわからなくなってしまいます。
 でも、これには心当たりがないわけでもなくて、僕は多分、話すときにあまり人の顔を見ていないのです。これは多分失礼なことなのでしょうけれども、どうもダメなのです。
 しかし、考えてみると、顔だけでなく、名前もなかなか覚えられません。聞いた名前もすぐ忘れてしまうので、我ながら困ります。そこへいくと、妻など、生徒さんの顔も名前も、よく覚えていて、「さすが先生だなあ」と感心することしきりです。どうも、僕は、覚える気概に欠けているのでしょう。
 でも、もう少しは改善するように努力したほうがよさそうです。

*1:いや、そんなに攻めてないか。

*2:「エクステンション」のことを、このように略すようですね。どうやら。ちなみに、エクステンションというのは、「つけ髪」(って言うのか?)のことです。