翻訳

とある御縁から、翻訳をやることになった。
といっても、何人かの共訳者の一人として、である。とてもではないが、一人で一冊、というわけにはいかない。
 僕はこれまで翻訳をやったことがないし、恐らく今後もやることはないだろうと思う。
 理由は簡単で、正確な(または読みやすい)翻訳を行う自信があまりないからだ。
 もう一つ付け加えると、翻訳というのは、投下した労働力に等しく評価されにくいというか、「普通にできて当たり前、語訳が多いと散々叩かれる」という「イメージ」があることも、関係しているだろう。なお、「イメージ」なので、「そんなことはない」と思う方はどうかお許しください。
 ただ、今回は特別である。いくつかの点で、「これはやらないといけない」と思った・・・というより、まあ、そうなっていたのである。
 人間、信念(というほどのものでもないけど)を曲げても、時にはやらなければならないこともあるのだ。いや、むしろ、別の信念に適ったというべきか。うん、きっと、こっちだな。
 ともあれ、やると言った以上は、誤訳だらけで許されるわけは当然ないので、できるだけ善いものにするように努力したいと思う。