ひとりごと

〈以下、独り言です〉
 子どもが産まれても普通に働き続け普通に評価されたいと願う、「意欲ある」女性は、「それは無理じゃない?」とか、「自己中心的で子どもがかわいそうだ」とか言われ(しかし、積極的に働けと言ったのは誰なのか?子どもの世話をきちんとやった上で言っているのか?)、仕事とともに家族を大事にしたいと思う男性は「近頃の若者は仕事を甘く見ている」とか、「そんなんじゃやっていけないぞ」とか言われ(しかし、それでワーカホリックになって人生「やっていけなく」なったら、誰が責任を取ってくれるのか?)…などと考えると、なんとも虚しい。
 「若い者は新しいことにどんどんチャレンジしなければダメだ」と言われて、なるほどと思いそうすると、「思いつきでやるな」とか「お前はわかっていない」とか言われ、でも、だからといって、長期的なプランを立てろといわれても、10年先にどうなっているかなんて誰にもわからないし、だいたいそもそも「長い眼」で見てくれる人がいるのだろうか…とか思うと、ますます虚しい。
 たとえ蟹工船に乗らなくとも、石川啄木の歌を反芻するしかないのだろうか。ちなみに、私は『党生活者』のほうがなぜか印象に残っている(といっても、矛盾するようだが、ストーリイはほとんど覚えていない)。
 将来の見通しがとてつもなく不透明なのに、やみくもに若者を叱咤激励したり、逆に過度に近頃の若者はと嘆いてみせたり、そういう振る舞いは、ぼちぼち見直さなければならないのではないかと思う今日この頃。