院ゼミ

本年度最後の院ゼミは、ホネット『正義の他者』の後半でした。

正義の他者―実践哲学論集 (叢書・ウニベルシタス)

正義の他者―実践哲学論集 (叢書・ウニベルシタス)

院生からの意見では、「議論の仕方がいつも同じ」などと手厳しい批判も出て、それは確かにそうなのですが(わりと、A説とB説があって、どちらもそれ(だけ)では不十分であり、自分はその間のC説でいく、みたいな論法が多いのですね)、それでも僕としては結構面白いのではないかと思います。
 とくに、「正義と愛情による結びつきとの間:道徳的論争の焦点としての家族」は、拙稿「フェミニズムは公/私区分を必要とするのか?」と問題意識が重なるところもあり、興味深く読みました。
 また、「反省的協働活動としての民主主義:ジョン・デューイと現代の民主主義理論」も、(デューイ研究者がどう評価するのかは別ですが)よい論文であるように思いました。