読書

読み終わる。

東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)

自分と同世代の２人による、東京のあちこちの街をネタにした対談本。
とりあえず、「名古屋ではどうだろうか？」などと考えながら読んでしまうｗ。
全体的に街の特色みたいなものはどんどんなくなっていくのではないか、という点では、両者の見解は一致している（と思う）。多文化性とか、貧困みたいなものも、物理的なレベルでは不可視的になっていくのではないかという指摘などはなるほどと思わせる。そして、さまざまな形での「郊外化」＝悪しきこと、という図式に疑問を呈する点においても、両者は共通している。
　両者の違いは、そうした郊外的＝「ジャスコ的」なものを組み込んだ形での均一化を、不可避的趨勢として受け入れる東氏と、それを受け入れつつ、しかし一定の留保＝抵抗を示そうとする北田氏、という形で現れる。そういう違いが後半に行くほど、鮮明化するようになっている。つまり、北田氏があとがきで述べているように、都市論を通じて問われているのは、最終的には、「動物化」とそれに付随する「人間工学」をどのように評価するのかという問題である。