下記のGender Equalityの本の中の、Janet C. Gornick and Marcia K. Meyers,"Institutions that Support Gender Equality in Parenthood and Employment".
Gender Equality: Transforming Family Divisions of Labor (The Real Utopias Project)
- 作者: Janet C. Gornick,Marcia K. Meyers,Barbara Bergmann,Johanna Brenner,Harry Brighouse
- 出版社/メーカー: Verso
- 発売日: 2009/08/03
- メディア: ペーパーバック
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特に興味深いのは、育児休業期間について夫婦それぞれの持ち分というか割り当てを決めて、それを他方に譲渡できないようにする、という提案。それが、ある人にとっては選択肢を狭めることを著者たちは承知しているが、「父親の〔育児〕参加のためのインセンティブを実質的に増加させる」としている。
もう一つ、同書の中のJohanna Brenner, "Democratizing Care"もパラパラと。子どものケアの主たる場を家族に置くのではなくて、そのための、より共同的・社会的な場を考えるべきだと論じているようだ。
少し興味深いのは、民主主義の議論と重ね合わせているところ。「確かに民主的な実践は、それ自体では、ジェンダー不平等の核心をなす性別分業に挑戦するわけではない。しかし、女性がケアの負担と圧力をより平等にシェアするべきという、男性に対する彼女たちの主張を行うことができるようなより好ましい土台を作り出す。」(p. 178)
具体的事例としては、co-housining, ケアサービス組織の民主化(参加型のガヴァナンス)などが取り上げられている。
問題は、ケアを脱家族化することが男女間でのケアテイキングの再配分につながるかどうかということだろうなと思う。往々にして、「女性同士での子育て」になりがちではないかということなのだが。