SPTセミナー

毎週月曜日の昼は、Social and Political Theory lunchtime eminarです。
主にANU外部の研究者・院生(どういう経緯で報告に来ているのかはよくわからない)が報告しているようですが(でも、たまたまかも)、今日は、福祉国家研究のフランシス・キャッスルズ教授の報告でした。
これまでセミナーではレジュメがないと書いていましたが、今日は、レジュメはありませんでしたが、パワポがあったので、報告内容はそれなりに理解できました。
内容的には、福祉国家を、予想外の「緊急事態emergency」への対応として成立・発展してきたと理解するべきと提案するものでした。
これでいくと、様々な自然災害への対応なども「福祉国家」の範疇で理解されるべき(なのに、そのように理解されていない)ということになります。
報告内容はそれなりに理解できましたが、ディスカッションはやっぱりダメでした。僕としては、「新しい社会的リスク」と言われてきたようなものも、今日における「緊急事態」の一つとして理解できるのか(どうも、緊急事態=自然災害という感じで議論されていたので)、どのような緊急事態が国家による対応を引き起こすかは単に緊急事態の規模とそれまでの国家の制度的セッティングによって決まる(と、キャッスルス教授は言っていた)のではなく、「政策的対応を要する緊急事態」という言説の提起の仕方と受け入れられ方によって決まるのではないかとか、聞きたいこともありましたが、なんとか聞けるようになるには、もう少し時間が必要でしょうね。