刊行

『政治思想研究』第8号が届く。ちなみにこれは、政治思想学会の学会誌である(念のため)。
 まだ出ないかもしれないけど。

政治思想研究 第8号

政治思想研究 第8号

 
僕も書評を書いています。


田村哲樹「『環境政治理論』における『政治』理論とは何か――新たな政治理論に向かって:『環境政治理論』(丸山正次)」『政治思想研究』第8号、2008年。


 ちなみに、『環境政治理論』はこちら。

環境政治理論―政治理論のパラダイム転換

環境政治理論―政治理論のパラダイム転換

 この本は、日本で「批判的実在論critical realism」の立場を全面的・体系的に打ち出した政治学・政治理論の本としては、初の業績だと思います。
 もちろん、(丸山氏も指摘しているように)日本でも、田口富久治先生が政治学の教科書の冒頭でロイ・バスカーなどに言及しているのではありますが、体系的に批判的実在論に基づいて書かれた政治理論の本としては、初のものだと思います。
政治学講義

政治学講義

 批判的実在論はイギリスなどでは、ある程度議論されているようなので、新しい方法論的基礎としてこれからもっと注目されてしかるべきだろうと思います…というようなことは書評では紙幅の関係で書けなかったので、ここに書いておきます。
 たとえば、以下の教科書でも、「実証主義」と「解釈学」に並ぶ第三の立場として紹介されています。
Theory and Methods in Political Science (Political Analyses)

Theory and Methods in Political Science (Political Analyses)

 Colin Hayの下記の本でも言及されていたはずです。
Political Analysis: A Critical Introduction

Political Analysis: A Critical Introduction

 社会理論の本ですが、マーガレット・アーチャーの翻訳本は、(自分も含めて)これから読まれていくのだろう
と思います。
実在論的社会理論―形態生成論アプローチ

実在論的社会理論―形態生成論アプローチ