熟議としての闘技

という名の(書評)論文が出ました。別の論文を探していたら、見つけました。


Andrew Knops, "Agonism as Deliberation: On Mouffe's Theory of Democracy," The Journal of Political Philosophy, Vol. 15, No. 1, 2007, pp. 115-126.


 アブストラクトによると、著者の一つの論点は、MouffeのDemocratic Paradoxを取り上げて、そこで提起される熟議への代替案としての闘技が実は合理的なコンセンサスの概念を当てにせざるを得ないものだ、ということだそう。
 手前味噌ではあるが、僕も以前に、The Return of the Politicalにおける民主主義的シティズンシップ論を取り上げながら、対抗者間の闘技が成立するためには熟議民主主義的要素が必要とならざるを得ないのではないか、と論じたことがある(拙稿「現代民主主義理論における分岐とその後(2)(3・完)」『法政論集』第187号、第188号、2001年。
 まあ、しかし、英語で論文書かないとダメ、ということですね。