読書

ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい

ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい

 面白かった。著者の言うとおり、平易な記述の中にも、「普通の入門書のイメージを超えた高度な内容が盛り込まれてい」る(10頁)。
 何が面白いのかと言うと、「論理的に、誠実にものごとを考える姿勢」(22頁)が貫かれているところだろう。
 もっとも重要な点は、「性差」と「性役割」との違いを、「記述的」と「規範的」との違いとして捉えて、その観点から両者の違いをクリアに説明していることだろう。
 また、「男だって苦しいんだ!」的現象について、「ステレオタイプ」と「差別」との違いという観点で説明しているところも、少なくとも僕にとってはとても啓発的だった。
 論理的な思考を進めることでかゆいところに手が届く、論理のチカラを実感させてくれる本と言える。