第四弾

午後から研究会のために本郷へ。
 N先生からの、消費社会化の中での労働(価値説)の復活と「自己決定」にまつわる問題についての報告を聞いて、いろいろと議論しました。
 いろいろな話があったのですが、サービス業中心の大衆消費社会(としてのポストモダン社会)においては、(19世紀的)製造業をベースとした労働価値説(スミスとマルクスが共有)はその意義を失うにもかかわらず、近年の言説において労働価値説の復権と見なせるような議論が多く見られる、とのこと。その理由は、労働価値説の前提としては自己決定の範囲がおおむね妥当なものとなるだろうという予想が成り立ったのに対して、(際限のない消費を特徴とする)「ポストモダン社会」では自己決定の帰結が不透明になり、そこに不安が生まれるからではないか、ということでした(だったと思う)。
 労働価値説と自己決定との関係についてはなお検討の余地があるのだとは思いますが、「ポストモダン社会」の状況認識としては基本的に賛同できるところでした。
 個人的には、「正当な」パターナリズムという問題が重要になるのかな、という印象でした(って、いきなり話が飛躍してよくわからないと思いますが。すいません)。