Jenson 2009

  • Jane Jenson, "Lost in Translation: The Social Investment Perspective and Gender Equality," Social Politics, 16 (4), 2009, pp. 446-483.


近年の欧米および南米における福祉国家改革のパラダイムを「社会的投資」と捉え、ケインズ主義およびネオリベラルと比べてジェンダーの問題に関心を寄せている点を指摘しつつ、その関心が、人口再生産と人的資本への投資という「目標」のための「手段」になってしまっており、結局、男女間の平等を達成するという「目標」は光景に退いていると主張する論文。
近年の福祉改革における子どもへの関心の高まりも、「母子関係」の再主張につながっているとする。
「社会的投資」論をジェンダー論の観点から批判する時の、代表的な議論スタイルと言えるのではないかと思っている。個人的にはかなり納得。