読書

近藤正基『現代ドイツ福祉国家の清次経済学』(ミネルヴァ書房、2009年)。第2章「建国から統一までの福祉国家の発展」まで読了。

現代ドイツ福祉国家の政治経済学 (シリーズ・現代の福祉国家)

現代ドイツ福祉国家の政治経済学 (シリーズ・現代の福祉国家)

 かつては(?)ドイツ政治研究を志向していた者として、興味深く読む。CDU/CSUの社会委員会+SPDによる福祉国家発展というシナリオは、多分ドイツ研究者ならば、「そうだろうね」と思うところなのだろうけれども、「保守主義レジーム」というカテゴライズとともに、比較福祉国家研究では、意外に十分に考慮されなかったのかもとか思ったり。
 政治過程の力学の記述も、興味深い。
 もっとも、ここまでのところでは、「基底的要因」としての権力資源動員論と、「政党レベル」としての「党派交叉連合」概念とのマッチングというか、前者の概念がどうしても必要なのかどうかは、まだわからないかなとも思う。