Ailsa Mckay, "Why a Citizens' Basic Income?: A Question of Gender Equality or Gender Bias," Work, Employment and Society, Vol. 21, No. 2, 2007, pp. 337-348.
従来のベーシック・インカムについての議論が、ジェンダーの視点を欠いていることを指摘する論文。
有償労働と女性の関係に焦点を絞った政策提案ではジェンダー平等を推進することはできない。というのは、家族内での無償労働の配分パターンを変化させることができないからである。したがって、無償労働やその他の社会的に有用な活動も含めた活動全体を視野に入れることが大事であり、ＢＩはそのことを可能にする、というような話だと思う。
有償労働に焦点を当てた政策だけでは無償労働の配分を改善できないとイス指摘そのものは、重要と思うが、何というか、議論はあまり深められておらず、そもそも論文の全体的な組み立ても、あまり明確ではない感じがする。う〜ん、あんまり悪く言いたくないけど、この人の論文は、いつもそういう傾向があるなあという気がしてしまう。。。
