読書

「あとで書く」といいながら、あまりきちんと書きませんが、宮台真司『14歳からの社会学』(世界文化社)および見田宗介『まなざしの地獄』(河出書房新社)を読了。

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

まなざしの地獄

まなざしの地獄

どちらもとてもよい本だと思った。
 宮台氏の本には、これまでの宮台氏の議論のエッセンスが凝縮されて詰め込まれている。そして、個人の実存問題と社会構造の把握とを結び付けて論じる姿勢も、よく示されている。
 見田氏の議論の基底にあるのも、この実存と社会構造の問題で、その意味では、宮台、見田、そして大澤の各氏の間には共通点があるのではないかという気がする。もちろん、宮台氏が明らかに実存、それも場合によっては氏自身の実存に深くひきつけた立場から語ることを厭わないのに対して、見田・大澤氏の場合は、あくまで観察者としてみた実存であるが。
 見田氏の本への大澤真幸氏の解説もまた大変秀逸である。見田氏の作品の魅力を余すところなく伝えるとともに、学問とはどういうものかをも下の世代に伝えようという強い意思も感じられる。
 この二冊がほぼ同時期に出たのは、単に偶然だろうけれども、自分としては、連続して二冊を読めたことでとてもよい体験ができたように思う。