読書

橋爪大三郎『冒険としての社会科学』洋泉社MC新書、2008年。PCの前にしばらく置いてあったのをつい手にとってしまう。
といっても、第二章の途中までと、最後の第四章の終わりのほうを読んだだけだけど。

冒険としての社会科学 (洋泉社MC新書)

冒険としての社会科学 (洋泉社MC新書)

もともと1989年に出た本の新書版(しかし、読み始めてから気づいたけどw、1700円もしていたとは!)。
上記のようにちょっと読んだだけなのだが、いろいろと面白いというか我が身を反省させられる。
 たとえば、日本(人)の中に多様性を持ち込まずに「国際化」などできるか、という指摘は、確かにと思うと同時に、同調圧力に屈しがちな自分を改めて反省させてくれる。「科学者共同体のメンバーにふさわしく行動するのが、よい科学者である。たとえそれが、彼自身の属する社会の要求と矛盾しても、である。」(239頁)というのも同様。そこから、「専門人が自分の持ち場を守るだけでも、ずいぶんいろんな日本人がいるなあ、という感じになってくるはずだ。彼らは、たとえ日本社会に容れられなくても、専門分野で評価されるかもしれないから、冒険のやりがいがある。だから責任が重いのだ。専門人の意地にかけても、日本社会に揺さぶりを書けるべきなのだ。」(240-241頁)御意。社会科学に必要なのは、1)「日本のものを、外に持っていく」(ことを通じて、外国で勝負する)、2)「専門の領域で勝負するようにがんばる」(一般人むけの語りで満足しない)、というのも、そのとおり(247-248頁)。
 この意味での「科学者」になるべく、心を新たに前に進もう。