ダメだ

 昨日は、遅れに遅らせている論文執筆のために、本を読み、ない知恵を絞って考えておりました。
 が、現実は厳しい(泣)。本当に厳しい(泣泣)。
 そんな中で逃避して、今頃とはいえ読み始めたこの(有名な)本、イントロ読んだだけで、(本当に)泣けますね、こりゃ。

 例えば、こんなところ。

とどのつまり、私の同僚たちの子どもは、いったいどこにいたのだろう?(同書Ⅵ頁)

とか、

同じような光景をみるとき、私の中で、何かが二つに引き裂かれる。わたしはブリーフケースをさげて、足取り軽く階段を下りて来る側の人間〔父親――引用者注〕でもなければ、ピクニックで食べる夕食をバスケット一杯に詰めていた母親でもない。が、同時に、その両方でもあるのだ。大学は依然、男向きにデザインされ、家庭は女のためにデザインされている。(同書Ⅶ頁)

とか、

家事をきちんと分担する夫を持つ妻たちは、いまだに自分のことを「普通とは違っている」と思っている。一方、家事に見向きもしない夫を持つ妻たちは、それが「当たり前」だと思っている。(同書Ⅹ頁)

とか。そして、

しかし、もし家事を対等に分担してもらっている女性たちが、そうした公平な分担はめったにない貴重なことであり、相手次第のことなのだから、自分は「幸運」だと感じているとしたら、家庭における男性の一般的なあり方はどこか根本的に間違っており、そうした男性をつくりだすことに手を貸し、強化している労働文化のあり方も、どこか間違っているのである。(同書XI頁)

とか。
 ぜひ復刊されて、再び多くの人の目に触れるようになってほしい本です(表紙の装丁は、今見ると、とても80年代後半〜90年代初頭的ですが)。