ハイレベル

 最近(というか前からですが)思うこと。学部のゼミ生で学問のことにかなり関心を持っている人が案外多いこと。ルーマンが面白いという人もいれば、デリダについて気になっている人もいるし、もちろん(?)フェミニズムについてハマっている人もいれば、社会科学専門書をどんどん平気で読み進めていく人もいる。
 学生さんにはよく言っているのですが、自分は学部生時代には、新書の数十ページですら読み進めるのに四苦八苦していた人間です。なんせ、バリバリの体育会系の人間でしたから*1。そういう人間からすると、学部生なのに(失礼)、専門書を「面白い」といって読み進める人がこんなに近くにしかもそれなりにいるというのは、もうそれだけでかなり理解不能だったりします。
 もちろん、僕の同時代人でも、学部生時代に、ムズカシイ本をたくさん読んでいた人も多く存在したことでしょう。単に、僕の居場所がそういうサークルの中になかった、というだけのことなのかもしれません。
 でも、とにもかくにも、イマドキの若者*2は、かくも勉強熱心だし、いろいろなことを考えたいと思っているのです。
 大学というところは、そーゆう「イマドキの学生」のための居場所を提供してあげられるところでありたいし、あってほしいものだと思います。安直に、「実学」とか「資格」とかに流れるのではなく、です。
 もっとも、正確に言うと、一定数の学生さんは、「実学」や「資格」にかかわるスキルを身につけたいと思いながら、同時に大学というところはそれだけに止まるところではないという意識を持っている、ということではないかと思います。こういう「現実」、「ガクモンはガクモンとして尊重したい」という感覚が存在するという「現実」を、大学関係者はマジメに受けとめてよいと思います。

*1:もちろん、「学生運動」と対立などしていない。念のためw。

*2:という言い方自体が年寄りじみているなあ