指導力って?

 新聞を見たら、中央教育審議会で「教員専門職大学院」の基本構想が固まった、とありました。指導力不足など最近の「教師への不信」に対応するのが狙い、とか。今の教員養成が「理論中心で現場のニーズからかけ離れている」との声もあるそうです。
 ふーむ、この「指導力不足」も「現場のニーズとの乖離」も、なんだか少々疑問です。大体、「指導力不足」って具体的にどういうことを念頭に置いているのでしょうか?「学級崩壊」などになってしまう教員を「指導力不足」というのでしょうか?はたまた「生徒への迎合」を「指導力不足」と言うのでしょうか?前者であれば、教員の能力の問題に還元できるのか疑問だし、後者であれば、生徒に高圧的な態度を取れる教員を「指導力がある」と評価するのでしょうか?それこそ、僕が聞く「現場」ではそういう傾向があるような気がするのですが、「指導力」の中身をきちんと点検していただきたいものです。
 また、「理論中心で現場のニーズからかけ離れている」というのは常套句ですが、ちゃんと「理論」なるものが身についているのかどうかをまずきちんと点検したほうがいいんじゃないでしょうか。単なる「〜論」の暗記ではなく、思考法として身についているかどうか、ということです。本当の「現場のニーズ」はそれこそ「現場」でしかわからないはずで、大学でやることを簡単に「現場のニーズ」に還元することには慎重であるべき、と思います。