頂きもの

1)編者の一人の小川有美さんと寄稿者の中田瑞穂さんから、宮島喬・木畑洋一・小川有美編『ヨーロッパ・デモクラシー――危機と転換』(岩波書店、2018年)を頂いておりました。どうもありがとうございます。小川さんは「多文化主義と福祉排外主義の間――オランダ、スウェーデン、デンマーク」を、中田さんは「東中欧における『デモクラシーの後退』――イリベラル政権とEUの課題」を、それぞれ寄稿されています。

ヨーロッパ・デモクラシー 危機と転換

ヨーロッパ・デモクラシー 危機と転換

2)寄稿者の井上睦さんから、大芝亮・秋山信将・大林一広・山田敦編『パワーから読み解くグローバル・ガバナンス論』(有斐閣、2018年)を頂いておりました。どうもありがとうございます。井上さんは、第9章の「福祉――新自由主義時代に変容するグローバル・ガバナンス」を執筆されています。
パワーから読み解くグローバル・ガバナンス論 (有斐閣ブックス)

パワーから読み解くグローバル・ガバナンス論 (有斐閣ブックス)

お買いもの

網羅的ではありませんが、最近のお買いもの本。

依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か (叢書・ウニベルシタス)

依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か (叢書・ウニベルシタス)

  • 作者: アラスデアマッキンタイア,Alasdair MacIntyre,高島和哉
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2018/05/15
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
↑読まないうちに翻訳が出てしまった。↑故・保苅実さんの本が岩波現代文庫で復刊。
そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

↑少しずつ読んでます。
はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)

はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)

第19回社会政治研究会(Social Politics Forum)のご案内

第19回社会政治研究会を、下記の要領で開催します。どなたでもご参加いただけます。

〇日時 2018年5月18日(金)17:30~19:40

〇会場 名古屋大学全学教育棟北棟(情報学部棟)4階406(多目的講義室)

〇報告
1)河村有介(立命館大学)「エジプトにおける新自由主義的経済改革と福祉レジームの変容」

2)篭橋一輝(南山大学)「サステイナビリティをどう考えるか――環境経済学からのアプローチ」


飛び入り参加も歓迎いたしますが、準備の都合上、事前に上村(kamimura[at]nagoya-u.jp)まで御一報いただければ幸いです。なお、終了後の懇親会もぜひ御予定下さい。

【運営委員】大岡頼光(中京大学)、上村泰裕(名古屋大学)、田村哲樹(名古屋大学)、山岸敬和(南山大学)

近刊メモ

The Practical Turn in Political Theory

The Practical Turn in Political Theory

Realism in Political Theory

Realism in Political Theory

Contemporary Political Theory

Contemporary Political Theory

頂きもの

1)編者の一人の外山文子さんから、外山文子・日下渉・伊賀司・見市健編『21世紀東南アジアの強権政治――「ストロングマン」時代の到来』(明石書店、2018年)を頂いておりました。どうもありがとうございます。ご紹介が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
 最近、自由民主主義の再検討という問題関心の下、必ずしも「自由民主主義」とは言えない体制・政治への関心が強まっており(自分の中で)、勉強させていただきます。

21世紀東南アジアの強権政治――「ストロングマン」時代の到来

21世紀東南アジアの強権政治――「ストロングマン」時代の到来


2)寄稿者の西田敏宏先生から、伊藤之雄・中西寛編『日本政治史の中のリーダーたち――明治維新から敗戦後の秩序変容まで』(京都大学学術出版会、2018年)を頂いておりました。どうもありがとうございます。西田さんは、「幣原喜重郎と国際協調――北京関税会議・北伐をめぐる外交再考」を寄稿されています。

日本政治史の中のリーダーたち: 明治維新から敗戦後の秩序変容まで

日本政治史の中のリーダーたち: 明治維新から敗戦後の秩序変容まで


3)著者の大竹弘二さんから『公開性の起源――秘密政治の系譜学』(太田出版、2018年)を頂いておりました。どうもありがとうございます。雑誌『atプラス』の連載をまとめられたものですが、「主権」と「統治」との関係の再考を通じた、「政治」とは何かについての大きな問題提起となっています。

公開性の根源?秘密政治の系譜学

公開性の根源?秘密政治の系譜学


4)著者の齊藤誠先生から、『〈危機の領域〉――非ゼロリスク社会における責任と納得』(勁草書房、2018年)を頂いておりました。どうもありがとうございます。齊藤先生とはまだ直接の面識がありませんが、地震災害や原発事故などの「危機」の問題への対応における熟議の意義を重視される内容で、だからこそご恵投いただいたのだと思います。

〈危機の領域〉: 非ゼロリスク社会における責任と納得 (けいそうブックス)

〈危機の領域〉: 非ゼロリスク社会における責任と納得 (けいそうブックス)


5)仲正昌樹先生からは、『悪と全体主義――ハンナ・アーレントから考える』(NHK出版新書、2018年)を頂いておりました。こちらもご紹介が遅れてしまいましたが、お礼申し上げます。変わらぬ生産性の高さには、ただただ脱帽するばかりです。

悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549)

悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549)

論文刊行『グローバル・ガバナンス学1』

 こちらでの告知が遅れてしまいましたが、2018年2月に、拙稿「グローバル・ガバナンスと民主主義――方法論的国家主義を超えて」が掲載の、グローバル・ガバナンス学会編、大矢根聡・菅英輝・松井康浩責任編集『グローバル・ガバナンス学1――理論・歴史・規範』(法律文化社、2018年)が刊行されています。

グローバル・ガバナンス学I 理論・歴史・規範 (グローバル・ガバナンス学叢書)

グローバル・ガバナンス学I 理論・歴史・規範 (グローバル・ガバナンス学叢書)

  • 作者: 大矢根聡,菅英輝,松井康浩,古城佳子,初瀬龍平,田村哲樹,山口育人,鄭敬娥,三牧聖子,鈴木一敏,東野篤子,都留康子,栗栖薫子,グローバル・ガバナンス学会
  • 出版社/メーカー: 法律文化社
  • 発売日: 2018/02/21
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る

 拙稿は、タイトルの通り、私にとって初めての「グローバル・デモクラシー」論です。多くの民主主義理論研究者がグローバル/トランスナショナルの次元を論じるようになっているのは(もちろん)知っていましたが、自分の場合は、なかなか手が出せずにいました。自分にとってのとっかかりを見つけられなかった、ということになるでしょうか。
 ところが、その「とっかかり」を、思いがけず見つけることができました。私はこれまで、家族もそれ自体として「政治」「民主主義」の場として捉える、という議論を行ってきました。その中で、数年前に「『民主的家族』の探究――方法論的ナショナリズムのもう一つの超え方」『法政論集』(名古屋大学)第262号、2015年6月、15-37頁、という論文を書きました。この論文は、サブタイトル通り、社会科学における「方法論的ナショナリズム」を見直すには、トランスナショナルな方向で考えるだけでなく、ミクロな方向で「家族」などの私的領域もまた、国家と同じ意味での民主主義の場である、という論じ方もできるのではないか、と問題提起するものです(直接の狙いは、社会科学で論じられてきた「民主的家族」における「民主的」が正しく「民主的」の意味で用いられているかを精査する、というものですが)。この論文を見てくださったある方から、「だからあなたの議論は、『トランスナショナル』を論じることにも役立つのではないか」といった示唆を頂いたのです。私自身は、自分で「方法論的ナショナリズムのもう一つの超え方」と題しておきながら、元々の(?)「超え方」、つまりグローバル/トランスナショナルとの関係は、正直言ってほとんど意識していませんでした。最初に書いたように、「とっかかり」がなかったからです。しかし、この示唆を得て、「そうか!」と思うことができるようになりました。つまり、「とっかかり」を得たのです。
 今回の論文執筆の直接のきっかけは、別のところ(有斐閣の新川・大西・大矢根・田村『政治学』)で一緒にお仕事させていただいた大矢根聡先生からご依頼を頂いたことです。依頼を頂くことは大変光栄ですが、少し前だったら「とても無理です」となっていたかもしれません。しかし、上記の示唆を得ていたことで、お引き受けすることができました。私の中に「とっかかり」ができ、イメージが生まれていたのです。と言っても、実際の執筆には少し(かなり?)苦労しましたが・・・。
 というわけで、この論文は、私にとっては少々感慨深いものとなりました。もちろん、何しろ初めてのテーマなので、いつも以上に不十分な点があることは承知していますけれど・・・。

『政治学』刊行

 2017年12月に、新川敏光・大西裕・大矢根聡・田村哲樹『政治学』(有斐閣、2017年)が刊行されました。政治学の包括的な教科書ですが、「学生にわかった気にさせない、でも考えるヒントになるような教科書」というコンセプトの下、作られたものです。

政治学

政治学

  • 作者: 新川敏光,大西裕,大矢根聡,田村哲樹
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2017/12/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 共著者の先生方は、みなさん政治学各分野の第一人者と言ってよい方々です。個人的には、自分がまだ院生(D1)時代に、大学院集中講義の講師として来ていただいた新川先生と、「政治学」というタイトルの教科書作りでご一緒させていただくことができたことを、とても感慨深く思います。20年という歳月は、長いようであっという間だったのかもしれません。まだまだ「政治学がわかった」と言い切ることはできませんが、それでもこのような教科書執筆に関わることができる程度には、自分も力がついたのかもしれません。・・・そんなことを思わず考えてしまいます。