ヤング氏逝去

 世界的に著名な政治理論家であるIris Marion Young氏(シカゴ大学)が亡くなったそうです。享年57歳。死因はガンだそうです。id:hannah:20060803経由です。
http://www-news.uchicago.edu/releases/06/060802.young.shtml
 ヤング氏は、フェミニズム政治理論、民主主義論に関する多くの重要な著作を発表し、大きな影響力を持つ政治理論家の一人でした。彼女の提起した「集団代表制」や「コミュニケーション的デモクラシー」などの概念には、差異に注意を払いつつ「社会正義」の実現を目指そうとする彼女の志向性がよく現れていると思います。
 数年前にお会いしたときの、拙い僕の英語をきちんと聞き取ろうとする「コミュニケーション的デモクラシー」の実践、John Dryzek氏によるヤング氏批判をどう思うかと聞いたときの、一転しての鋭い目つきでの「私は理性を軽んじているわけではない」という回答が忘れられません。
代表的な著作は以下のものでしょうか。
Susan M. Okin氏に続いて、惜しい学者を失いました。
ご冥福をお祈りいたします。

Justice and the Politics of Difference

Justice and the Politics of Difference

Inclusion and Democracy (Oxford Political Theory)

Inclusion and Democracy (Oxford Political Theory)