読書

富永健一社会学 わが生涯』(ミネルヴァ書房)読了。

社会学わが生涯 (シリーズ「自伝」my life my world)

社会学わが生涯 (シリーズ「自伝」my life my world)

富永先生がずっと「経済と社会」という問題にこだわっていたということが、やっぱり印象的。
そして、(また)自分は海外にいて何をやっていたのだろうか、と反省してしまうのだった。。。
気になることがあるとすれば、全体として、研究がとても順調に進展してきたように読めてしまうところだろうか。
いや、実際、富永先生の膨大な業績を見れば、順調でなかったとは到底言えないし、何もかも順調だったと書いているわけでも決してないけれど、それでももう少し、悩んだ部分、迷った部分、行き詰った部分なども書いていただけると、後学にとっての参考になったもしれないとは思う。
あと、個人的には、パーソンズのAGIL図式の入れ子構造の枠組みで、「政治」はあちこちにあり得るということを表現してみると、「政治」の偏在とアナーキーとの同一視を回避するのに役立つかもしれない、とか漠然と思った。でも、これは漠然と思っただけ。パーソンズの著作をちゃんと読んで言っているわけでもないので。