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Sonia Alonso, John keane and Wolfgang Merkel (eds.) The Future of Representative Democracy, Cambridge University Press, 2011.

The Future of Representative Democracy

The Future of Representative Democracy

Wissenschaftszentrum Berlin fuer Sozialforshungのプロジェクトなのですね。
とりあえず、イントロを読んだところ。いくつか興味深い指摘があったかな。
その一つは、今日の代表制民主主義の有権者に対するunder-responsiveとover-responsiveの二つの側面、特に後者についての指摘。著者たちによると、over-responsiveとは、「住民の多数派の直接的な社会的利益」を、「独立メディアと法の支配を含む代表制民主主義の核心的諸制度の無視あるいは弾圧(clamping down on)」によって行うことである。
なるほど、このあたりにいわゆる「ポピュリズム」の問題性を見ることができそうだ。つまり、「ポピュリズム」的な政治は、確かに人々の支持を正統な手続(選挙)を通じて獲得している。しかし、しばしばそれは、「法の支配」を軽視ないし無視する、あるいは、少なくともそのようなパフォーマンスを見せる。それは、確かに「リベラル・デモクラシー」の主要原理の一つの侵害である。
もっとも、「リベラル」を措いた「デモクラシー」の問題として考えるならば、まさに(たとえ多数派であっても)特定の人々に'over'responsiveであることそのものが問題、ということになるだろうか。