セミナー報告

昨日は、SPIR research seminarでの報告。報告タイトルは、"Basic Income, Gender Division of Labour, and Deliberative Democracy: How We Can Make the Male Breadwinner Family More Egalitarian?"というもので、内容は、近刊予定(といっても、ちょっと後)の日本語某論文集に収められる拙稿のそれを若干修正したものです。
このセミナーでは、レジュメもパワポもなしで報告する人も結構いるのですが、僕はそんなチャレンジングなことはせず、詳しめのパワポスライドを作り、そのプリントアウトのレジュメと文献リストを配布しました。
時間は、報告最長45分、その後質疑応答最長45分の合計90分。
ある意味いつものように、おおざっぱにしかリハーサルしなかったのですが、とりあえず42〜43分でキッチリ報告を終えました。途中、あわよくば笑いを取ろうと思った何箇所かがウケたとは言えませんが・・・。
質疑応答の前に、できるだけゆっくり質問してくれと、「ゆっくり」の事例を説明しつつお願いしたせいか、いつものセミナーよりも、質問は聞きとりやすかったと思います。
とはいえ、冒頭のSimon Niemyerの質問は、やっぱりよく聞きとれず(というのは、僕は日頃も彼のしゃべりがなかなか聞きとれていなかったからなのですが、当日は、本人が「クィーンズランド出身で、そこのなまりがあるので」とか言っていたので、なるほどとは思いました)、多少(かなり)的を外してながながとしゃべってしまったようです。でも、そのあとで、別の人が同じような質問をしたときに、Simonが「その質問だったんだよ」と言ってくれて、何とか答えることができました。要は、discursive deliberative democracyによる政策言説の拡大と、具体的な制度設計(social engineering)との距離をどうやって埋めることができるのか、という趣旨の質問だったわけですが。
それから、このブログにもメモしたことですが、先週末に、ちょっと内容できちんと区別できていないところがあることに気づいていたのでした。しかし、すぐには直せないので、そのまま報告。そうしたら、Bora Kanraは、見事に(?)その点を指摘してくれました。「ああ、やっぱりわかるのね」と思いつつ、「それはわかっていたけど、直せなかった」と答え、あとで「別の論文では、その区別はきちんと意識しているんだけど」と補足しておきました。
まあ、その他にもいろいろ質問やらコメントをいただけて、よれよれながらも、45分間めいっぱい質疑応答しました。参加者数は、僕の知名度のなさ(とアブストのへぼさ?)がたたって、少なめだったのですが、でも、大変貴重な機会でした。
ちなみに、明日は、事前にMLで送信されたアブストラクトを見て興味があるのでペーパーを読みたい、と言ってくれたKatieと会って話をします。Susan Okinが好きなのだということで、こういうテーマに興味を持ってくれたようです。もっとも、「元は日本語で、英語のペーパーはない」と返事すると、「それは考えてなかった!」と驚いていましたが(苦笑)。でも、(セミナーは来れないということだったので)スライドを送ったら、面白いと言ってくれて、スライドの英語のいくつか(以上の)間違いも指摘してくれました。
というわけで、あらためて英語での原稿を持たねばなあ、と思っているところです。
でも、その前にいくつか何とかしなければならない仕事が待ってます。これらも、なんとかせねばやらねば!