岡野 2010

岡野八代編『自由への問い7 家族――新しい「親密圏」を求めて』岩波書店、2010年、より、岡野八代・加藤秀一「対談 新しい『親密圏』を求めて」、岡野八代「消極的・積極的自由論の手前で」を読む。

家族――新しい「親密圏」を求めて (自由への問い 第7巻)

家族――新しい「親密圏」を求めて (自由への問い 第7巻)

対談は、なかなかよいと思う。岡野さんの提起を、加藤さんが、(いつもの)丁寧な受け止め方で深めている、という感じで。そして、これを読む限り、「ケア関係(ケアの絆)へのサポート」論は、まだまだ議論の余地がありそう、と思う(ので、ちょうどよかった)。
岡野さんの論文は、最近の岡野さんの議論の延長線上にあるもの。その方向性には共感している。ただ、僕としては、若干手前味噌だが、政治理論は「家族(ホーム)における『政治』をどう考えるのか?」という問題に取り組む必要もあるのでは、と感じる。もちろん、この本は「自由への問い」ではあるのだけれど。