頂きもの

小野紀明先生から、ご高著『ハイデガーの政治哲学』(岩波書店、2010年)を頂きました。どうもありがとうございます。

ハイデガーの政治哲学

ハイデガーの政治哲学

 500頁という量的次元だけでなく、これは、間違いなく大著と思わせる本です。著者によって、「私のハイデガー研究の総決算」(「あとがき」505頁)と位置づけられた本著に対して、たとえ自分にまともに読解できる力量がなくとも、きちんと向き合うことは、受け取った者の責務であると思います。
 目次は下記の通り。約200頁と異例の長さを占める第1章「『政治的なもの』――その起源と変容」が書き下ろしです。

序言
序章 実在の探究
 Ⅰ ハイデガーにおける「政治的なもの」
第1章 「政治的なもの」――その起源と変容
 付論 フーコー存在論的(オントロギッシュ)権力概念
第2章 『存在と時間』の政治思想的読解――ハイデガー決断主義者か
 Ⅱ 初期ハイデガーにおけるアリストテレスの受容
第3章 実践概念の脱構築
第4章 技術概念の脱構築
第5章 運動概念の脱構築
終章 戯れの甘受
あとがき


 僕の記憶が間違っていなければ『現象学と政治』以来の、冒頭に掲げられた数枚の絵画も、実に印象的です。カンディンスキー的なマルク(この人の名前は知らなかった)の絵二枚、次にセザンヌ、そして最後にキュビスムのブラック…』の配置にも何か意味があるのかもしれません。