妻と電話で話す。
彼女の話を聞いていて、よく思い出すのは、『丸山眞男回顧談』に出てきた、岡義武氏が丸山氏に語ったというか尋ねた(とされる)こと、である。
自分には「確かにこうだ」と思えることを、「多くの人」はそう思っていないようであり、だとしたら、自分の方がやっぱり間違っているのではないだろうか、と。
そこで、少なくとも「それでも、自分だけが間違っているわけではない」と、踏みとどまることができるとすれば、なぜなのか、どのようにしてなのか。あるいは、宗教に依拠せずに、それが可能なのか。大きな流れに飲み込まれそうな時に、何がせめて押し流されることを免れるための支えとなるのか。
……というようなことを、どうしてもいつも考えてしまうのだった。
- 作者: 松沢弘陽,植手通有
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/10/26
- メディア: 単行本
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