Beem, 2005

Christopher Beem, "Restoring the Civic Value of Care in a Post-Welfare Reform Society," in Lawrence M. Mead and Christopher Beem eds., Welfare Reform and Political Theory,Russell Sage Foundation, 2005.

Welfare Reform and Political Theory

　ケアを「市民的な価値」を持つ活動として位置づける可能性があるかどうかを、９０年代後半のアメリカの福祉改革の中で探ろうという論文。
　著者が注目するのは、At-Home Infant Care(AHIC)という98年に制定された政策。これは、新生児を自宅でケアする親に一定の給付を行うものらしいのだが、著者の結論は、この法律がケアを「本質的な市民的な活動essential civic work」とするのに寄与する、というもの。
　ジェンダー論的な問題としては、ケアそのものを直接に評価すると性別分業を固定化する可能性が出てくる、ということだろう。ナンシー・フレイザーの言うcaregiver parityの問題。