読書

Dryzek and Dunleavy, Theories of the Democratic State, Palgrave, 2009のいくつかの章を読む。

Theories of the Democratic State (0)

Theories of the Democratic State (0)

具体的には、6章(From Neo-pluralism to Governance)、8章(Identity POlitics)、9章(Democratic Critique and Renewal)、10章(Feminist Theory of the State)、13章(Post-modernism)あたり。
表題が「democratic state」となっているように、democracyという視点からの国家論であることが大変明確な本。
教科書として書かれている面も強いだろうから、そういう点でちょっと記述が薄い感じでもあるけれど、出されている論点はいろいろと面白い。
具体的には、熟議民主主義とネットワーク・ガヴァナンスの関係(これはきっと現在のプロジェクトのテーマなのだろう)、民主主義とベーシック・インカムないしステイクホルダー・グラントについての記述(アメリカの市民教育に対して、ヨーロッパのBIという対比で書かれている)、「分断社会」への対応の三つのオプション、言説と政策形成などなど。