読書

『親密圏のポリティクス』より、齋藤純一「親密圏と安全性の政治」を再読。

親密圏のポリティクス

親密圏のポリティクス

あらためて読んで勉強になる。齋藤先生の議論は、実にスキがないというか、批判的でもあり規範的でもある。一方的に肯定的にも、一方的に否定的にも論じない。ポジネガ両方あることを指摘した上で、ポジの面を救い出そうとする。ポジとネガとが本当に「矛盾」しないのかとか疑問を呈することもできるのだろうけれども、それでもこういう議論の仕方が多くの人に共感される所以なのだろうな。
 それにしても、野崎綾子さんがあまりにも若くして亡くなったことは、つくづく惜しまれる。井上達夫先生が編集され、齋藤先生や川崎修先生がコメントを寄せられた遺作がこちら。
正義・家族・法の構造変換―リベラル・フェミニズムの再定位

正義・家族・法の構造変換―リベラル・フェミニズムの再定位

タイトルは『正義・家族・法の構造変換』なので(「転換」じゃなくて「変換」)、ご注意を。
甚だ微力であまり役に立たないけれども、その遺志をわずかでも継ぐことができればと思う。