休日のひととき

昨日は妻が朝から仕事でした(お疲れさま)。
午前は子どもの音楽教室に。できないとすぐむくれる次男ですが、ギリギリ踏みとどまれるようになってきたかな。
家に戻った後は、親子三人で、『はだしのゲン』を読んでいました。原爆が落ちたあとくらいから読み始めて、「第一部完」とされる、ゲンが東京に出て行くところまでです。我が家にあるのは、集英社漫画文庫版の1〜5巻と汐文社版の5巻〜10巻です。うちの子どもたちは、なぜか『はだしのゲン』が大好きです。というか、本人たちにとっては、いろいろと笑うべきところがあって、それが面白いみたいです。考えてみれば、確かに、少年誌連載のマンガだったわけですから、子どもにウケる部分もないと駄目なわけですよね。
で、帰省するたびに子どもたちは熱心に読んでいたのですが、実家から持ってきたのです。
 僕自身は、そんな子どもたちを尻目に(?)、ずいぶん以前に途中まで読んで以来、目を通していなかったのですが、久しぶりに読んでみると、なかなかに思うところがありました。つまり、このマンガを読むと、もちろん原爆ファクターはあるとはいえ、「昔の日本は治安がよくて、人々は人情味があって・・・」とは言えないよねえやっぱり、という気分になるわけです。だって、(最初に妻がそういう感想を出したのですが)みんなすぐ怒って罵詈雑言を浴びせるし、殴るし、物や石やら投げるし(このへんはゲンたちも例外ではなく、です)、そしてもちろんよそ者(朝鮮の方を含む)と被爆者にはものすごく差別的だし・・・というわけです。でも、そういう光景が「日常」だったのだろうな、と思います。そういう意味では、このマンガはヒロシマという特殊な出来事を特殊に描き出しているのではなく、ごくありきたりの戦中戦後の風景を描いたものなのではないかな、などとも思います。それが「残酷」とか「ひどい」と思われるとしたら、今現在が、ずいぶんとマシな「日常」になっているということなのでしょう。
 それにしても、「シゴウする」という言葉は直接には聞いたことないなあ。

はだしのゲン 第10巻

はだしのゲン 第10巻