お知らせ

 雑誌『論座』の来月号(2006年7月号)に、稲葉振一郎さんの本の書評を書きました↓。1000字くらいの短いものですが。もうすぐ出るはずです(6月1日刊行かな?)。僕としては、この本でのモダン/ポストモダンというのは、「公共性」をめぐる問題だと考えて、その観点から書いています。 

モダンのクールダウン (片隅の啓蒙)

モダンのクールダウン (片隅の啓蒙)

 公共性という観点から見れば、この本は、ポストモダンの時代に公共性形成の可能性がどのくらいあるか、理論的に引っ張れるところまで引っ張ってみよう、という試みということだと思います。それは確かに範囲的には限定されているかもしれませんが(その意味で「クールダウン」)、しかし、モダンの公共性さえも、実は巨大な共同性に担保されていたことを考えれば、ポストモダンの公共性は共同性を乗り越えたところに成立する可能性があるという意味で、結構ホットな可能性を秘めているとも言えます。
 だから、一度読んで「?」と思っても、何度かしっかりと読んで見ましょう。
 といった文体では書評そのものは書いていなくて、以上のような趣旨をもう少し内容紹介的な文体(あまり言葉だけが飛び交ってもわかりにくいので)に込めてみたつもりです。