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 「パーフェクト・マザー」圧力の指摘は興味深い。しかし、学校での対応強化で解消するかどうかは別問題のような気がする。もちろん、規範的な観点から、そのほうがより公正であるとは言える。しかし、現状でも、学校や塾が充実していれば家庭の役割が減るということにはなっていないのではないかと。
 あと、「対人能力」「専門性」「専門高校」の三者の関係についての議論は、まだ腑に落ちていない。3章の分析について、できる範囲内できちんと見つめなおしてみる必要があるのだろうけれども。
壊れる男たち―セクハラはなぜ繰り返されるのか (岩波新書)

壊れる男たち―セクハラはなぜ繰り返されるのか (岩波新書)

セクハラの事例を詳細に紹介しつつ、多くのセクハラに見られる共通性を指摘。多くの加害者男性の語り・フレーズのワンパターンさについての指摘が重要だと思う。
もう一つ、セクハラにおいて、いかに加害者男性が事態を(仕事の上司/部下という関係を従とし)「男と女の駆け引き」と見なしがちであるか(しかし、実際には職務上の権限をちらつかせているのである)、そしてその眼差しがいかに強固であるか、ということも。