フィッツパトリック『自由と保障』より引用。
言い換えると、急進右派の市民は、市場における交換の場では利己的で権利を主張する個人とならなければならないが、しかし市場経済自体が成立するための社会的条件を豊かにするためには、利他的で義務を遵守する個人とならなければならないのである。(92頁)
要するに、初期の急進右派は市場を強調していたが、次第に、彼らは「市場と道徳的権威」を強調する戦略をとるようになった。そしてこれこそが前節で急進右派が経済的自由主義と社会保守主義の両方を取り込んでいると述べた理由である。(96頁)
遅ればせながら、radical rightは、なぜ、一方で市場自由主義的でありながら、他方で勤労の義務を強調するタイプのワークフェア政策をも支持するのか、わかりました。
- 作者: トニー・フィッツパトリック,武川正吾,菊地英明
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 単行本
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