最近の本たち

 3月になりました。昨日から、ゼミ論文集の編集をやっております。今年は、全員のを一つのファイルにして、印刷屋で製本して「らしく」しようと思っているのです。3、4年生の中にはなかなかの力作も多く、大変うれしいことです。あ、でもまだ出していない人、出してくださいね!!
 北田さんの『嗤う日本の「ナショナリズム」』は、第4章の途中まできました。3章まででは、1章の連合赤軍の分析が僕にはもっとも強い印象がありました。現代社会の「反省化/再帰化」と連合赤軍とを重ね合わせてとらえるところが、です。僕自身の「反省性」をキーワードの一つとしている日頃のデモクラシー論についても、いろいろ再考(反省?)させられるような思いでした。
 この本を読んでいるためにストップしている、山根純佳『産む産まないは女の権利か−−フェミニズムリベラリズム−−』(勁草書房、2004年)も、読み進めたいところです。最後は個人主義批判へと行きつくのかな、という印象です。
 あと、B. Hobson, J. Lewis, and B. Siim eds., Contested Concepts in Gender and Social Politics, Edward Elgar, 2002という本を読んでいるのですが(って、このブログで初めて英語の本が出てきたような気がしますが、全然読んでいない、というわけではありませんので、念のため)、これはかなり面白いような気がします。単なる不勉強のせいでそう思うだけかもしれませんが。ジェンダー平等にとってのペイド・ワークとアンペイド・ワークの問題が割と前面に出ている本だからだと思います。「商品化」と「脱商品化」についての章もあって、これは結構貴重な気がします。
 最後に、堀江孝司『現代政治と女性政策』(勁草書房、2005年)が出ました。この人は僕の友人で、僕と違って資料などを詳細に調べることのできる人です(学者としては当然のことだ、と怒られそうですが・・・)。この本でも、あらかじめ出来上がったモデルを当てはめるというよりも、日本の「女性政策」の形成過程を詳細に追跡し、そこから新しい知見を得る、という手法が採られています。そういうわけで、きちんと読まないといけないのでした(最後に、また「反省」)。