読書

 焦るばかりで、どうもイマイチやる気の出ない中、本の整理中に目の届くところに出てきた、真木悠介現代社会の存立構造』筑摩書房、1977年を手に取り、その第1部「現代社会の存立構造――物象化・物神化・自己疎外」を読む。

現代社会の存立構造

現代社会の存立構造

 今さらながら、真木(見田)さんって、こんなにマルクス主義の人だったのか、それとも、時代的にこれくらいは当然ということなのだろうか、などと思いつつ、また、「社会科学って、なんだろうねえ」などとも思いながら。
そこから、「社会科学」が気になってきたので(これには、別の事情もあったのだけれど)、目の前の本棚にあった大塚久雄『社会科学の方法』岩波新書、1966年、を手に取り、確か本のタイトルと同じタイトルの、その第1章を読む。「確か」というのは、早速行方不明になってしまったからなのだけど。
社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス (岩波新書)

社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス (岩波新書)

 もちろん(?)、以前に読んでいる(はず)なのだけれど、今読み直すと、なるほど、「社会科学の方法」というか、社会をどのように把握するかについて、マルクス的な把握の仕方とウェーバー的な把握の仕方との違いを、とてもクリアに解説していることがよくわかる。そして、社会「科学」に固有の困難についての記述も、今でも勉強になるように思われた。