読書

千田有紀編『上野千鶴子に挑む』(勁草書房、2011年)を読了。

上野千鶴子に挑む

上野千鶴子に挑む

特に後半のいくつかの論文に、自分のテーマと関係するいくつか興味深い指摘があったように思います。
また、上野氏のリプライの中にも、いくつか興味深い指摘がありました。以下は、その一つ。

「弱者の正義」に立たない、立てないというのは、おそらく戦後第三世代に属するかれら〔第15章執筆の小池靖氏と、小熊英二氏〕の、含羞なのかもしれません。戦中派という「祖父の世代」に、「告発」と「対決」で挑んだ団塊世代という「父の世代」の背中を見てきた「孫世代」にあたるかれらは、恐らく自分たちの生きている社会がもっともろいものであることを、強者と見えるひとびとですら実はそうではないことを、敏感に感じとっているのでしょう。(436-437頁)

そう、「社会がもっともろいものであること」「強者と見えるひとびとですら実はそうではないこと」というのは、多分僕自身にも共有されている感覚だと思います。