Chambers 2005

  • Simone Chambers, "Measuring Publicity's Effect: Reconciling Empirical Research and Normative Theory," Acta Politica, Vol. 40, pp. 255-266.


昨日のChambers 2004の論旨を、経験的研究と規範理論をどう結びつけるかというトピックに応用(?)した論文。こちらの方が手短に書いてあるので、彼女の議論の骨子はわかりやすいかも。これの元になった報告ペーパーを以前に読んでいるのだけど、それと一緒だったかどうか細かいところはよく思い出せない。でも、昨日Chambers 2004を読んだ時も思ったんだけど、上記ペーパーを読んだ時は、僕の印象としては、「国民投票的理性」にどう対応するかというところが印象に残っていて、閉鎖的な議論空間における「民主的」メカニズムの必要性(その意味で、エルスターやガットマン/トンプソンに批判的)というところは、あまりピンと来ていなかったというか、そんなに批判的とは思っていなかったフシがある。でも、このあとの"Rhetric and the Public Sphere," Political Theory, Vol. 37, pp. 323-350, 2009では、閉鎖的なというか少数者による熟議の場に注目する近年の熟議民主主義論の傾向をかなり激しく批判しているのだから、批判的なのは当然かもしれない。当時読んだ時の自分の関心に引っ張られ過ぎたか、あるいは、単にきちんと読めなかっただけなのか。