philosophy of Social Inquiry開始

 というわけで、今日から3日間、下に書いたKeith DowdingとJohn S. Dryzekによる集中形式のコースPhilosophy of Social Inquiry開始です。
 初日を終了して、相変わらず、英語は聞き取れないところは聞き取れないのですが(Keithがもうちょっと大きなポイントのスライドを使ってくれれば…)、でも、面白かったです。3日間の9時〜5時は(子どもの学校の送り迎えもあるし)大変だなあと少々気が引けていたところもあるのですが、やっぱり出てよかった。そして、日本語だったら、いろいろ言えるだろうなあとか思いつつ。
Johnが、normative なethicsとして、功利主義、権利論(だったと思う)、環境倫理と並んでフェミニズム(のケアの倫理)を挙げていたのは、ちょっと心強かったです。あとは、授業終了後に、「政治理論」と「政治哲学」について、彼に質問して、少し議論できたことも。彼は、同じという人もいるし、所属組織によってどちらを名乗るか異なってくることもある、みたいなことも言っていたのですが(自分は哲学デパートメントにはいないので、「哲学」とは言わないとか)、それでも少し粘って話をすると、やはり、一つの考え方として、「思考実験」とか「仮想の事例」を重視するのが「政治哲学」、それよりは「経験的な現実」に言及しながら理論を作るのが「政治理論」、という(某さんもおっしゃっていたのですが)区別は、ある程度言えそうな気もします。あとは、個人的には、下記のエントリのKeithの言う「理論」のうち「organising perspective」の部分は「政治理論」の重要な要素のような気がします。
 授業の進め方としては、基本的に90分間レクチャーです。ただ、適宜質問の時間を取り、時には結構質問が出るので、そこである程度時間を取ることになります。質問は、レクチャー以上に聞き取りづらかったので、安易な判断はできませんが、でも、そんな大した質問はあまり出ていなかったんじゃないかなあ(失礼)。まあ、適切な自信をもっていきましょう。