日本比較政治学会年報第7号(2005年)より、下記の二論文を読む。
加藤論文はなかなか読解するのが難しかったのですが、日本分析の方法が、日本型多元主義論におけるMSSD(「よく似たシステムデザイン」)から、合理的選択論におけるMDSD(「違ったシステムデザイン」)へと変化していること、および(それにもかかわらず)日本型多元主義論が持っていた「日本の先進諸国との共通性」という問題意識は合理的選択論と共通していること、はわかりました。
ただし、よくわからないところもあります。僕には、加藤論文が、MSSDとMDSDとの違いを、説明変数をマクロなシステムレベル(制度)に求めるか、ミクロなアクターの行動に求めるか、の違いに置き換えているように見えます。それは論文の理解として正確でしょうか?
また、仮に正確だとして、MSSDとMDSDとの違いは、説明変数がマクロかミクロかということと関係があるのでしょうか?合理的選択論がミクロ基礎から出発するということはもちろんわかりますが、MDSDだと、合理的選択論以外の理論・モデルでも、ミクロレベルの説明変数が不可欠なのでしょうか?逆に、MSSDの場合は、ミクロレベルの説明変数は必要ではない、ということなのでしょうか?
- 作者: 日本比較政治学会
- 出版社/メーカー: 早稲田大学出版部
- 発売日: 2005/06
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