で、思い出したのが「イオン」の大型店です。名古屋だと、熱田店とかです。ここに行けば、上記の欲求不満は解消されます。デパートブランドのディフュージョン版がmensのものもそれなりに揃っております。a.v.v.のhommeも、23区やタケオキクチディフュージョンブランドもありますです。おかげで、なんとなく自分自身も楽しめます。たまには買います。
 ただ、ここがとっても難しいところなのですが、あんまりファッション系の店が揃いすぎると、今度は食料品とか日用品を買う、というモードになりにくいのです。若干安めとはいえ、いろんなブランド系の店をあれこれ見て回った後に、「おお、そういえばホーレン草を買わなくちゃ」とか「タマゴが切れかけていたなあ」とか、「ティッシュも買っとかないと」とかいう風には、なかなか思えないのですね。
 それゆえ、私はあえてはっきりと申し上げるのですが、ここには大いなるジレンマが存在するのです(多分)。
 そもそも、「スーパー」に行くときに外せない目的は、食料品や日用品を買うことです。しかし、平日の仕事帰りに近所のヤマナカ(1)などに立ち寄るのとは違って、たまの休日に、「ホーレン草」だけを買いにお出かけする、というのはどうにも虚しいことであります。だからこそ、スーパー業界も、「日用品プラスアルファ」の買い物のできる大型店をプッシュしているのでしょう。
 しかしながら、「プラスアルファ」の部分があんまり大きすぎると、上記のように基本の日用品の部分のお買い物がおろそかになる恐れが生じるし、そもそも「どうせ服買うんだったら、もっといろいろ揃った店に行って買いたい」ということにもなるのです。実際、アピタにもイオンにも、ユナイテッド・アローズとかトゥモローランドとかビームスとかアニエスベーとかバーバリーブラックレーベルとかがあるわけではないのです(ワタクシの趣味で申し訳ない)(2)。
 だからといって、「じゃあ、やっぱ日用品のみの品揃えに」となると、やっぱりホーレン草やトイレットペーパーしか売っていないところにわざわざ家族で出かけたいという気も起こらないのです。
 そういうわけで、「スーパー」業界は、伝統的な「スーパー」としての側面と、新しい「準デパート」的な側面との兼ね合いに悩まされ続けるに違いないのです。
 と、話がよくわからなくなってしまいましたが(汗)、結論としては「コムサ・イズムを出店するのならば、とりあえずmensも置いてくれ」ということなのでした(あれ?)。 



(1)若干規模は大きいが、基本は「普通のスーパー」のお店。
(2)もっとも、郊外型大規模小売店にファミリー向けディフュージョン・ブランドが展開しているのは、20代後半から30代くらいの子連れファミリーに、「ファッションは好きだけど、独身時代または子どもがいない時代と違って、あまりおカネはかけられない」「一枚1万円オーバーのシャツや3万円以上のアウターなど買うわけにはいかない」と思う層が一定程度存在していて、そういう層の「ニーズ」にピッタリ合っている、ということであるのは重々承知しているわけですが。