辻2014

 同じく公共政策学会の準備の一環として、畑山敏夫・平井一臣編著『ポスト・フクシマの政治学――新しい実践の政治学をめざして』法律文化社、2014年、の辻由希さん執筆の第6章「男女共同参画とローカルなジェンダー政治」を読む。

 一章だけでジェンダーと政治の話を包括的に書くのは当然難しいのだけど、ジェンダーの理論的な話と実際の男女共同参画をめぐる政治の話とをうまくバランスを取って記述しているという印象。特に、三節の「成果と課題」から「おわりに」に向けての議論が興味深い。「むしろ今後は、ナショナル・マシーナリー以外にも、民主主義のルートや場そのものの多様性を確保するという方向で『政治』の復権をめざすことが重要なのではないだろうか」(167頁)。