お買いもの

 注文していた、Hayley Stevenson and John S. Dryzek, Democratizing Global Climate Governance, Cambridge UP, 2014、が届きました。

Democratizing Global Climate Governance

Democratizing Global Climate Governance

 この本にはとてもうれしいことがあります。彼らの昨年秋のあるカンファレンスでの報告ペーパーに続いて、この本でも、'deliberative system'の構成要素に、新たに'private phere'が付け加えられているのですが、その叙述箇所では、'everyday talk'のマンスブリッジと並んで、僕の名前も挙げられているのです。私とのpersonal communicationによる、という風に書かれています。
 確かにANUにいたころに、刊行直前のドライゼクのfoundations and Frontiers of Deliberative Governanceのイントロダクションを見せてもらったことがあり、その時に、「なぜ私的領域/親密圏が熟議システムの構成要素でに含まれていないのか?この概念を最初に提示したマンスブリッジは、私的領域/親密圏を視野に入れるために、熟議システムの概念を用いたのだと思うのだけど。」といったコメントをしました。
 ジョンは、このコメントにそれはもっともだと言ってくれて、この点を踏まえた熟議システム概念へと定義を修正したのです。彼はとても律儀というか、他の大学でのセミナーでも、「あなたの提案だと言って私的領域の話をしておいたよ」などと言ってくれていました。この度は、著作でも明示してくれたということで、私としては、あらためてうれしく思っています。
 もちろん、ジョンと私の私的領域の位置づけには違いもあります。それは意思決定のユニットをめぐるものです。
 この点を含め、もっとも大事なことは、きちんと英語での論文でこの点を述べることであることはよく自覚しています。まだまだ頑張るべきことはあるということで、さらに努力したいところです。