週初め

月曜日はセミナー二つ。一つ目は、SPIRセミナー。ビジターのUslaner教授の報告でした。移民や民族的多様性が増加することが、social capitalを弱体化させ社会の統合を不安定にするという、(最近の)パットナムの議論に対して、問題は、民族的多様性の増大そのものではなく、異なるアイデンティティの人々の居住分離segregationの程度なのだ、と主張する内容。大変明確な報告で興味深く、また、一般化された信頼の重要性を改めて説こうとする姿勢に感銘を受けました。
感銘と言えば、彼は報告中にしきりに僕に言及しながら話をしてくれました。迷惑に思う人もいるかもしれませんが、これは彼自身のtrustの表現だろうと思い、この点でも大変感銘しました。


そのあとは、SPTセミナー。報告は(確か)院生さんで、プライバシーの正当化論拠の分析哲学的な考察でした。早口ながらも明瞭な英語だったと思うのですが(早いのに比較的理解できる英語がある)、ラフなレジュメ一枚での報告はやっぱり厳しかったです。。。


火曜日は、今いるSchool of Culture, History and Languageの歴史系のセミナーで、テッサ・モーリス−スズキ先生の報告でした。だからなのか、会場は満員といった様子。報告は、北朝鮮にあるクムガン山(金剛山)についてのもの。『北朝鮮へのエクソダス』以来、北朝鮮への関心をお持ちなのかなと思いました。


自分の研究に直結するかどうかはわかりませんが、こちらに来て、歴史的な経緯も含めて、日本とアジア、アジアにおける日本の位置への関心が増しているような気がします。アジア太平洋学部があるANUにいるからというだけでなく、街中でのアジア人の多さやテレビ番組など、いろいろとこのことに思いをはせる機会があるからだと思います。


あと、日本大使館に行って、在留届の変更。受付の女性の方と少しおしゃべりも。何度か行っているので、ある程度顔なじみなのです。


そして、昨日は、ちょっとしたアクシデント。と言っても、僕のことではありませんが。異国の地でのつながりの大切さをあらためて認識する一日でもありました。