雑誌

 雑誌がどんどん売れなくなっていると言われていますが、僕はまだ、小学校の頃の『コロコロコミック』『コミックボンボン』から、中学か高校から30くらいまでの『ジャンプ』『マガジン』『サンデー』、高校時代からの『メンズノンノ』などなど雑誌世代です(もっと「大人」になってからは、たまに『世界』とか『現代思想』とかの「真面目な」雑誌も読んでいますが)。
 ちょっと前からのファッション系の愛読紙は『メンズノンノ』の30代以上向け版の『UOMO』です。「若いころメンズノンノ好きだった人は、ウォモも好きだよねえ」と思わせるような感じで、気にいってしばらく買い続けています。
 ただ、最近は、正直に言って、あまりファッション面そのものには以前ほど興味を惹かれておりません。その理由は恐らく、1)自分が最近以前ほどにはファッションに関心を持っていないからなのか、2)雑誌の想定年齢とずれてきたため、世代的についていけなくなりつつあるからなのか、3)その両方なのか、でしょう。
 1)については、そういう風に感じる時が多くなっているのですが、しかし、いつも感心減退しているというわけでもなく、ある程度、「周期」というものがあるのかもしれません。原因が2)だとしたら、この出版社には、もう一つ上の世代向けの雑誌も出してほしいなあ、とは思います(実はすでにあるかもしれない、または、現在企画中かもしれませんが。何しろ、今の40代〜50代前半くらいは、人口からいっても、雑誌への馴染みの点から言っても貴重な層ではないでしょうか)。また、デザインや色の好みが、自分とは違う面が多いんだよねえ、ということもよく感じます。これは、世代のせいなのか、単なる好みの違いのせいなのか、微妙なところですが。歳をとると、それなりの自分の好みもはっきりしており、自分が抱いているものとあまりに違うスタイルには、なかなか興味を持てなくなっています。僕の場合、たとえば、スウェット生地系(で、時々裾がリブ仕立てになっている)のパンツを、と言われても、「おお、これが流行りなのか」と思って買う・・・というのはなかなか難しいです。色についても、最近のトレンドは青系統が多いようですが、僕の好みは、赤系統、紫系統。あるいは、色を使うという時に、割とビビッドな色を提案されても、ちょっと違うというのもあります。そんなわけで、ファッション面は、最近は「ぱらぱら」と眺める感じになっています。
 そうではあるですが、『ウォモ』については、純粋なファッションページよりも、文字のページを割と熱心に読むようになっている気がします。最近、一番熱心に読んでいるのは、モノクロのページで、この年頃の男性の悩みや問題点について特集するページ。たとえば、今月号の場合は、「ネガティブおっさんになっていませんか?」というもので、要するに、アラフォー世代の男性が職場でも家庭でも、何事にもネガティブな言動を取りがちであることを特集したものです。どんな「ネガティブ」があるのかの実例(ほんとかどうかわかりませんが)、なぜネガティブになるのかの解説(なお、今回は、元衆院議員でもある水島広子さんによる解説です)、どうすればよいのかの対策、など、これが実に興味深く読めます。
 もう一つは、棋士羽生善治さんの対談記事。分野も実績も全く違いますが(特に後者は!)、同い年の羽生さんの発言は、いろいろ勉強になりました。将棋以外の時間に、「ぼんやりしている」「何もしないのがいちばん好き」というのも、大いに共感するところでした(笑)。
 というわけで、なんだかんだ言って、毎月の刊行時期になると、「あ、ウォモ買わなくちゃ」と思っている自分がいます。少なくとももうしばらくは、買い続けるかな。