誕生日を迎えて

 数日前に誕生日を迎えました。40代になるころからか、あるいはもう少し前からかわかりませんが、気が付くと、誕生日の数か月前から、もう誕生日を過ぎた年齢であるような気分になるようになっていました。そういうわけで、今回の43回目の誕生日も、「あれ、もう43じゃなかったっけ?」というくらいの気分です。
 これもやはり少し前から思うようになっているのですが、「60歳なんてすぐだな」ということをよく思います。同時に、小学校時代とか中学校時代がずいぶん遠くなったような気もします。まあ、自分がそのくらいの年齢の頃の親の年齢にもう到達しているのですから、当然ですね。
 身体ができるだけ悪くならないように生きていたい、という気持ちも強くなっています。おそらく、男性の40代というのは、体調面ではキケンな時期だと思うのです。仕事と健康を天秤にかけたときに、後者を選べるようでなければこのキケンな時期を乗り越えることはできないはずだ、とアタマではわかっています。それを実践できるかどうかは、まさに向こう何年間かの僕が、どのような仕事のやり方をしていくかにかかっているのでしょう。
 その仕事面、とりあえず研究についてですが、このところ立て続けに、これまでほとんど頂くことのなかったお話を頂いています。考えてみると、これもやはり年齢のせいで、そのような仕事をも行うべき世代に到達してきたということなのでしょう。健康との天秤のことは常に意識しつつ、新たな仕事を通じて新たな世界も開かれるだろうと思い、取り組んでいきたいところです。
 新たな仕事と言えば、オーストラリア在外研究中からの懸念事項である、英語での仕事を行う、という問題もあります。これについては、幸い(?)英語で書かなければならない論文もあります。書けるのかという問題はさておき、よい機会を与えていただいたと思うべきだと考えています。そして、まだはっきりと述べることはできませんが、英語圏の学界の「裏方」的な仕事にも携わることになりそうです。これも、なかなかにハードな仕事となりそうな予感満載なのですが、やはり、こういう機会をきちんと受け止めていくことが自分のステップ・アップにとって大切なのだろうと考え、引き受けることにしました。また時期が来たら、詳細をお知らせできると思います。 もちろん、日本語での次の単著も、ぼちぼちまとめなければという焦りもあります。気が付くと、最後の単著(『政治理論とフェミニズムの間』昭和堂)刊行から、もう4年も経っています。純粋に新しく書き下ろすということはできそうもないので、既発表原稿をまとめ直す作業ができるかどうかに、かかっていると思います。でも、これがなかなか難しい・・・。とはいえ、このことについても何とか取り組みたいところです。
 年齢を重ねると、どうしても保守的になってしまい、新しいもの、違うものに関心が向かわなくなりがちだと実感しています。でも、そこは意識的に自分自身の殻に閉じこもってしまわないように、自分で作った殻を適宜自分で壊しつつ、新たな道を模索していきたいと思います。